私自身の体験談(診療雑感)より修正転載
歯学部の学生時代、授業が進むほどに不安になっていく。
授業に出席している真面目な(?)学生の多くもそうだったろう。
「おまえ達の口の中、そうとうヤバイよ。」教授がそう話しているように聞こえる。
昨日はA君が歯列矯正を始め、今日はB君がインプラントの手術を受けるらしい。…
「どの教官に治療をお願いしようか。やさしそうで腕が確かで…。」考えた末に私はK先生の研究室のドアをノックした。
先生に症状を伝えると、「カルテを作ってレントゲンを撮ってきなさい。」
レントゲンを見て「君、試験は合格だろうね。診断はあたっているよ。」さらに続けて「このタイプの金合金を買ってきなさい。歯医者に銀歯はありえないからね。」
それ以降、K先生の昼休みや実習などの合い間に治療してもらい、およそ3年半で治療は終了した。
やさしそうな外見に似合わず、K先生は治療中も厳しく指導してくれました。
チャンスをとらえては『こうやると痛い』という方法を実体験させてくれたのです。
「痛い?涙出てるね。こういう治療をしちゃダメだよ。」
あれから30年以上になる。
その間、新しい数本の虫歯の治療はさとう歯科の先生に受けたが、K先生のやり直しは一本もない。
治療費は当時大金に思えたが、それまでの毎年やり直す治療とは大違いだった。
…K先生ありがとうございます。
先生のように技術の確かな歯科医を目指していきます。…
おかげさまで、私も最長で37年間の再治療なしの記録を更新中です。
